お産は、赤ちゃんと出会える喜びの瞬間。でも、なんとかして陣痛を越えなくちゃ…という不安や戸惑いがあるものです。ソフロロジー式分娩では、『陣痛がなければ、私のかわいい赤ちゃんには会えない…陣痛は、私にとって大切なもの!』と考え、できれば遠慮したい陣痛を逆に自分の味方にして、満足のいくお産を演出していきます。もちろん、演出していくのはあなた。今までのようにひたすら呼吸法に頼った“体で行うお産”ではなく、イメージトレーニングで心のなかに「赤ちゃん大好きパワー(母性)」をたくわえる“心で行うお産”なのです。安心して、そして自信をもって満足のいくお産にのぞむためにも、すこしお勉強してみましょう。
ソフロロジー(Sophrology)とは、「Sos(調和・安定)」「Phren(精神・意識)」「Logos(研究・学問)」をつなぎ合わせた造語。心の問題を研究する学問の一つです。医学博士 松永昭先生が、この学問を産科に応用し、“妊娠中から母性に磨きをかけ、育児につなげていく出産準備教育”として開花させました。

ソフロロジー式分娩は、単に分娩を乗り切るためのものではなく、妊娠中から“赤ちゃん大好きパワー”に磨きをかけることで母性を育み、分娩から育児へと自然に意識をつなげていくもの。ポイントは、以下の3つです。

簡単にいうと、“おなかの中に赤ちゃんを宿した瞬間から、すでに家族の一員が増えたと思って生活していきましょう”ということです。同時に、妊娠して変わっていく自分、おなかの大きくなった自分もぜひ誉めてあげてください。この様に“妊娠中に起こる様々なことを一つひとつポジティブに捉える”ことを、“積極的ソフロ受容”と呼んで大切にしています。話しかけや、おなかの上からのタッチングなどは、赤ちゃんに良いことなので積極的に行ってください。また、超音波(特に3D方式)で自分の赤ちゃんを見て、想像を膨らませることも大切です。(ところで、日本には古くから“数え年”というものがあります。“生まれた赤ちゃんはすでに1歳”とする数え方なのですが、なんと日本人は遙か昔からソフロロジーを行っていたのです!)
モーツアルトを聴くことだけが、胎教ではありません。赤ちゃんを想い、赤ちゃんを中心に生活していくことが大切です。そして、イメージトレーニングで妊娠中の不安を取り除いていくと、調和のとれたマタニティライフをおくることができます。もちろん、夫婦ゲンカは御法度!
『出産は、赤ちゃんとの共同作業…。陣痛は、赤ちゃんと会うための大切なエネルギー…。』ちょうど眠りに入るか入らないかという状態(ソフロリミナルな意識段階)の中、イメージトレーニングを繰り返します。分娩を“苦痛”ではなく“喜び”として捉えることで、お母さん自身が分娩をコントロールできるのです。
 
赤ちゃん大好きパワーを育てるのに、とても効果的な方法があります。それは、イメージトレーニング。ソフロリミナルな意識段階(体も心もリラックスして、ちょうど眠りに入るか入らないかという状態。つまり、夢と現実とを区別できない状態。)で行います。近い将来自分に起こることを、良いイメージとともに思い描いてください。例えば、赤ちゃんを抱っこしている自分、赤ちゃんとお話をしている自分、陣痛を乗り越えて嬉しい達成感に浸っている自分…など。分娩を自分でコントロールする“自律出産”を達成するためにも、このトレーニングは不可欠です。
 
 
特に分娩時は、上記のようなイメージトレーニングをすることで、神経回路に“陣痛の痛みを切り換えるスイッチ”が作られます(痛みなどの感覚を司るのはこの回路ですが、シチュエーションにより全然違った感じ方をすることがあります。例えば、腋の下。自分でくすぐっても何とも思いませんが、他人にそんなことをされたら…大変!)。赤ちゃん誕生を“苦痛”ではなく“喜び”として受けとめることで、脳内除痛物質ベータ・エンドルフィンが分泌され、陣痛を受け入れられるようになるのです。
 
あぐらなどリラックスできる姿勢をとります。背筋は伸ばしましょう。
イメージトレーニング・テープを聴きながら、ゆっくりと腹式呼吸を。初めに息を少し吐いて、大きく吸い込みます。一瞬止めてから(緊張)、力を全部抜く感じではぁーっと吐き切ります(弛緩)。次に息を吸い込もうとすると、自然に入ってきます。このように、吐くことに気持ちを集中して行うと、自然に体と心の力が抜けてリラックスしていくのです。
しだいに落ち着いてきたら、イメージトレーニングをスタート。初めは、テープのナレーションに従ってイメージしていきます。自分で出来るようになれば、BGMのみでもOK。心の中に“赤ちゃん大好きパワー”をたくわえるのが目的ですから、1日1回は赤ちゃんとお話する感覚で行ってください。
1. 疲れにくく産後の回復が早い
2. 胎児に対する不要な圧迫が少ない
3. 胎児下降と子宮口開大を促進する
4. βエンドルフィン※の分泌を促進し痛みを和らげる
5. アドレナリンの分泌が少なく胎児仮死となりにくい

※神経伝達物質の一つ。気持ちをリラックスさせると同時に、強力な除痛効果も持つ。