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赤ちゃんは、産道を通る時に“死んじゃうんじゃないかなあ”という思いで産まれてくるのだそうです。分娩時の産声も、実は“こわかったよう”という表現だとする心理学者もいるほど。大変な思いで産まれてくるわけですから、しっかり抱っこしてあげてください。お腹の中の胎動がわかり始めた頃にはすでに耳が聞こえるようになっていて、産まれてくると、ずっと聞いてきたお母さんの声がする方向をみて目をあけようとします。すると不思議なことに、赤ちゃんは泣き止んで静かにお母さんの顔を見つめるでしょう。そしてまわりをペロペロなめ始め、おっぱいを探します。実際、『出生直後の赤ちゃんをお腹の上においておけば、20〜30分後にはおっぱいを吸いにいく』という研究結果があります。
たいていの赤ちゃんは、出生後2〜3時間はしっかりと周囲を観察しています(これを、“ゴールデンタイム”といいます)。分娩時の体験を覚えている子供たちがいますが、ほとんどがこの2〜3時間の体験です。先にもお話しましたが、猿の世界ではこの時間が子ザルの一生を左右するのです。赤ちゃんがおっぱいを欲しがったら、すぐに吸わせてあげてください。そして、家族みんなで祝福してあげてください。 |
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よく、お母さん方から“夜眠れなくて大変”という声を聞きます。なかには、“私ってマタニティーブルーなのかな”と思い込まれるお母さんがいるほど。夜泣きの激しい赤ちゃんもいますが、なかなか眠れないのは、プロラクチン(おっぱいを出すホルモン)の分泌パターンと関係があります。例えば、赤ちゃんが俄然元気になり、おっぱいを欲しがる午前4時頃。この時間帯は、プロラクチンも多く分泌されます。ところが、このホルモンは目をさまさせる作用が強く、お母さんはどうしても目が覚めてしまいます。『そばに赤ちゃんがいてもいなくても、お母さんの目覚める回数はほとんど一緒だった』という研究結果があるように、必ずしも赤ちゃんが原因ではないのです。 |
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出産2日目になると、赤ちゃんは“おっぱいくれくれサイン”を頻繁に出してきます。おっぱいのトラブルもよく見られますが、4日目あたりからおっぱいの分泌はよりスムーズになります。但し、退院後に以下のような症状が見られた場合は、「母乳外来※」を受診してください。
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乳口炎・・・・・・
乳頭に白い斑点。母乳が詰まるため、乳頭を押さえると痛む。
乳房の一部も張り、痛みを伴う。
乳腺炎・・・・・・
乳汁が溜まるケースと、バイ菌に犯されるケースがある。熱がある場合は抗生物質の投与が必要だが、搾乳できれば問題ない。
その他・・・・・・
咬み傷や乳頭亀裂、分泌不良など。
※母乳外来については、「外来紹介」ページをご覧ください。 |
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以前は“病原菌への感染を防ぐためにも赤ちゃんは隔離しておく”という考え方が主流でした。しかし、ある大病院の新生児室で「緑膿菌」への集団感染が起こり、赤ちゃんが死んでしまう事故が起こりました。この他にも、MRSA(抗生物質が利かない菌)や毒性の菌が流行するケースは後を絶ちません。実は、赤ちゃんへの清潔・不潔の“ものさし”は少し違うようなのです。正常な皮膚は「常在菌」を持ち、異常な菌の進入をガードします。赤ちゃんは、お母さんと一緒にいることで健康な「常在菌」をもらい、身を守っているのです。実際、新生児室でしばしば発生していた「膿痂疹※」が、母子同室にするだけで減少しています。お母さんと赤ちゃんが一緒にいることは、感染防御面でも理にかなったことなのでしょう。
※膿痂疹とは、細菌感染によって赤ちゃんの顔にできる発疹です。 |
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生まれてしばらくの間は、お母さんと赤ちゃんが一緒にいると哺乳はだいたい1日10回以上。乳頭が刺激されるほどプロラクチンの分泌も増え、母乳はさらに出やすくなります。“お母さんが出してあげる”というより“赤ちゃんが吸い出してくれる”といったほうが正確かもしれません。事実、WHO/UNICEFも『おっぱいで育てるにはお母さんと赤ちゃんは一緒にいないとうまくいかない』と明言しています。母乳が出るようになれば自然に自信もついてきますが、実はこれがとても大切なのです。母子分離が主流だった頃は、退院後に初めて“赤ちゃんってこんなに泣くのか”と気づいたり、“本当におっぱい飲んでるのかな”と不安になってミルクに移行してしまったり…そういったお母さんが、大勢いらっしゃいました。 |
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諸外国に比べ、育児がイヤだと言うお母さんの数がもっとも多いのは日本だということをご存じですか。母乳育児率も40%程度で、これも先進国の中では低いレベルです。母乳育児は、栄養免疫の利点だけでなく、スキンシップを中心とした母と子の絆の確立のためにも、21世紀の日本においては最重要課題です。幼児虐待や家庭内暴力、少年犯罪など信じられない事件が多発していますが、揺るぎない親子関係を作りあげるためにも、母乳育児はとても大切なものだと私たちは考えています。 |
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