通常の手術は“メス”で切開して“目”で見ますが、この手術は“マジックハンドのような手術用器具”を挿入して“内視鏡”で見ます。開腹手術のように、大きく切開しなくてすむことがメリットです。
術後の肉体的な負担(侵襲)が少ない
傷跡が目立たず社会復帰も早くできる
患部周囲の癒着の発生を少なくする
原因不明の不妊症
不妊の原因を検索すると同時に、治療も行います。
卵巣のう腫
術前の診断で、良性と診断された場合に行います。
子宮内膜症
生理痛が強くなる病気で、不妊症の原因になります。
癒着があれば剥離をしたり、内膜症の病変を取ります。
子宮外妊娠
妊娠を継続できないので、妊娠している卵管を切除したり、
赤ちゃんや胎盤を取り出して治療します。
腹腔内癒着症
手術後のお腹の痛みや不妊症などの原因になるので、
癒着の剥離を行います。
子宮筋腫
子宮壁より外側に出ている場合に行います。
※但し、過去の手術による癒着や患部の大きさなどにより、
 開腹手術にきりかえる場合があります。
子宮鏡は、婦人科診療において欠かすことのできない診断器具です。言わば胃カメラの“子宮版”で、切開することなく病変を直接見ることができる点で優れています。
子宮内病変の発見
子宮内のポリープや子宮筋腫の状態を調べることができます。特に不妊症では、子宮内病変を見つけて取り除くことで、妊娠率の向上が期待できます。また、不正出血の例でも原因検索には欠かせません。
当院の成績では、子宮筋腫を削り取った例の妊娠率は約30%、ポリープの例でも40%程度の術後妊娠が認められています。
卵管の状態確認・再疎通術
以前は、卵管造影で卵管が詰まっていると診断された場合、手術療法(卵管の閉塞部位を切除して再びつなぎ合わせる手術)や体外受精が行われていました。しかし現在では、子宮鏡のチューブを卵管に入れて卵管の掃除をしたり、さらに卵管に内視鏡を入れて直す「卵管鏡手術」の有効性が示されています。卵管の閉塞は、子宮と卵管のつなぎ目で閉塞しているものが多いのですが、卵管自体は破壊されておらず、ゴミのような成分が詰まっているだけの場合もあるのです。卵管鏡は入院が必要ですが、子宮鏡を用いる方法は通院で可能です。
子宮鏡下子宮筋腫核出術(レゼクトスコープ)
子宮筋腫は、婦人科疾患の中でもポピュラーなものの一つです。不妊症や月経が多い方の中には、この子宮筋腫が子宮粘膜に突出しているために妊娠しづらくなったり月経が多くなったりする場合があります。このような子宮筋腫は、レゼクトスコープで切除します。以下はその症例です。
手術前超音波 切除の図
術後の子宮超音波 切除図
子宮の筋肉を大きく切ることがなく術中出血もほとんどないので、短期間で社会復帰できます。
処置後の分娩についても、普通出産がほとんどです。